あの日、私は外を眺めながら昼食を食べていた。
とてもよい景色だった。
と、ふとその景色に違和感を感じた。
雲に届きそうな2つの大きなビル。
(こんなビルあったっけ?)
そう思いつつ眺めた。
と、飛行機がありえない高度で飛んでいた。
(旅客機ってこんな低空を飛ぶっけ?)
そう思いつつ眺めた。
と、唐突にその旅客機が高層ビルに激突した。
(?!)
びっくりして周囲を見た。
この非常時に、昼食中の社員たちは何食わぬ顔で食事していた。
もう一度、外を見る……いつもの変わらぬ景色だった。
不思議に思いつつも昼食を再開する。
……が、次に見上げたときまた同じ高層ビルに突如現れた旅客機が衝突した。また……
(また?!)
でも、周囲を見て、窓に戻ると、またいつもの景色だった……
相談しても、疲れているだけだと、おかしいだけだと、変だと言われた。
昼食時間は終わり、疑問に思いつつも自分の席に戻り、仕事を始めた時のことだった。
脳裏に、星、白い建物という言葉が浮かんだ。
はじめは何のことだか良く分からなかった。
が、昼食時にみた景色に関係していると、漠然と思うまで時間はさほどかからなかった。
雲に届きそうな高層ビルと星と白い建物も壊わされる……
現実ではありえない。
ありえるわけがない。
第一日本にその様な場所はないはず。
だから問題は何もないはず。
必死に不安を拭おうとした。
否定しようとした。
が、不安を拭うことは出来なかった。
ただ、
白い建物が、緑の林の様な場所に変わっただけだった。
何故急に訂正されたのか?
分からなかった。
ただ、それだけ。
あの奇妙な映像の意味。
突然脳裏に現れた言葉の意味も。
それがどこを表しているのかも……
ただ、漠然とした不安だけが、夜という、その時が来るまで続いていた……
テレビという装置を見、昼間のフラッシュバックが起きるまで……さほど時間は掛からなかった……

なぜ?
あの日、
あの時……
あの様な不思議な現象に遭遇したのか?
今だに分からない……
ただ、自分の知識不足に嘆いただけだった。

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